彼の真骨頂は、どのようなジャンルの作品であっても即座にその世界観を補完し、物語のクオリティを高めてしまう柔軟性にある。息をのむテンションが続くSFサスペンスの緊迫感溢れるコスチュームから、静かな涙を誘うヒューマンドラマの日常着に至るまで、その振れ幅の広さは群を抜いている。
日本映画監督協会の関係者も「長瀬氏の仕事は単なる衣装合わせの域を超えており、監督のビジョンを立体化させる共同制作者そのものだ」と高く評価する。カメラアングルや照明の当たり方まで見越した生地選びとシルエット構築は、日本の映像産業におけるスタイリングのレベルを一段上のステータスへと引き上げたと言っても過言ではない。