なぜ体は疲労困憊なのに、脳だけが覚醒してしまうのか。最新の脳科学研究では、この現象を「脳過覚醒(ハイパーアラウザル)」と呼ぶ。本来、夜になると睡眠を促すメラトニンが分泌され、脳の活動は徐々に低下するはずだ。しかし、日中の慢性的な緊張や、ベッドに入る直前まで続くタスク処理によって、脳の「危険検知システム」である扁桃体が興奮したままになってしまう。つまり、脳が「今は戦時中だ」と勘違いしている状態なのだ。
この状態では、どれだけ高級なマットレスを使おうが、アロマを焚こうが効果は薄い。まずは脳に「ここは安全な場所だ」と教え込み、警戒モードを解除することから始めなければならない。