効率性とスピードが重視される現代社会において、人々の旅の目的は「消費」から「共感」へとシフトしている。その最前線にあるのが、その土地でしか味わえない食を体験するローカル・ガストロノミーだ。ただ美味しいものを食べるのではない。食材が育った背景を知り、生産者や料理人の哲学に触れる。そんな知的な欲求を満たしてくれる場所が、今まさに求められている。
天竜の山奥という決してアクセスが良いとは言えない立地でありながら、連日予約で埋まる理由はそこにある。人々は単に胃袋を満たしに行くのではない。失われつつある日本の原風景と、自然に対する敬意を取り戻しに行くのだ。