一方で、作品がもたらす経済的なインパクトは無視できない。落ち込んでいた地域のカフェや土産物店には連日長蛇の列ができ、周辺店舗の売り上げは倍増する。一部の商店主からは「地域経済を救う救世主だ」と歓喜の声が上がるのも事実だ。
だが、その恩恵を享受できるのはごく限られた一部の事業者に過ぎない。住宅街に住む一般住民にとっては、深夜まで続く喧噪、ゴミの不法投棄、プライバシーの侵害といった負の側面ばかりが目立つ。経済効果という光の陰で、静寂を奪われた住民たちの不満は限界に達している。芸術か、それとも迷惑行為か。この問いに答えが出ない背景には、地域社会の中での利害の断絶が存在する。