「毎月1,500円を払い続けても、手元には何も残らない」。都内の大学に通う21歳の学生はそう語る。お気に入りのアーティストのアルバムが、契約ライセンスの都合で突然プレイリストから消える恐怖。サブスクリプションという「レンタル」の限界に気づいた人々が、形のある音楽を求めてCDショップへ足を運んでいる。
単なるノスタルジーではない。CDジャケットのアートワークを手に取り、歌詞カードをめくる体験そのものが、タイパ重視のデジタル社会に対するカウンターカルチャーとして機能しているのだ。手に入れたお気に入りの1枚を、自分のローカルストレージに保存して持ち歩く安心感は、ストリーミングにはない価値を提供している。