2026年の土俵は、開幕直後から波乱の連続だった。ベテラン勢の盤石な取組を打ち砕いたのは、入幕間もない若手勢のスピード感あふれる相撲だ。これまでなら「勝率5割台」で手堅くまとまるはずだった中位の相撲内容が、一変して横綱・大関陣を脅かす脅威となった。
「まさかここまで上位陣が苦戦するとは想定していなかった」と、長年取材を続けるベテラン記者は語る。かつての「勝ち星の計算」がまったく通用しない。土俵際の土壇場で繰り出される逆転劇、鋭い立ち合いからの電光石火の寄り切り。目の前で繰り広げられるのは、観客の心拍数を直接揺さぶる生き生きとした熱戦の連続だった。