2002年の第1回大会でだいたひかるが初代女王に輝いて以来、数々のスターを輩出してきたR-1グランプリ。しかし、歴代優勝者の足跡を振り返ると、M-1王者とは異なるピン芸人特有の「その後のキャリアの分岐」が浮き彫りになります。
朝の帯番組MCや冠番組を多数抱え、名実ともにお笑い界のトップランナーとなった粗品(霜降り明星)や野田クリスタル(マヂカルラブリー)は、コンビとピンの双方で結果を残した稀有な成功例です。さらにゆりやんレトリィバァのように海外進出やドラマ主演など規格外のスケールで活躍するタレントも生まれました。また、2016年に圧倒的な熱量で王座を奪取したハリウッドザコシショウは、独自の芸風を一切曲げることなくバラエティ界の重鎮としての地位を確立しています。
一方で、単独ライブや寄席の舞台で圧倒的な支持を集め続ける佐久間一行や街裏ぴんく、ピンネタの求道者として演劇界や執筆活動へフィールドを広げたなだぎ武やあべこうじなど、テレビの露出量だけでは測れない独自のポジションを築く王者も少なくありません。ピン芸人の芸風は極めてパーソナルであるため、テレビのひな壇に即座に適応できるタイプと、唯一無二の劇場職人として輝くタイプに自然と分かれるのがR-1王者の現在地と言えます。