SNSや速報掲示板では「カリーの個人技だけで勝った試合」「ブレイザーズのシュート運が悪かっただけ」といった単純化された論評が散見されます。しかし、トラッキングデータと現場の戦術配置をつぶさに観察すると、そうした認識は明確な誤解であることが分かります。
第1の盲点は、ドレイモンド・グリーンの見えないディフェンス貢献です。ボックススコア上は8得点・6リバウンドと控えめな数字に見えますが、ブレイザーズのピック&ロールに対してペイントエリアへの侵入角度を徹底的に制限。相手ガード陣に「タフなミドルレンジジャンパー」を打たせるポジショニングを取り続けました。この誘導こそが、終盤のブレイザーズのフィールドゴール成功率を38.1%まで押し下げた真の要因です。
第2の盲点は、ブレイザーズのインサイドディフェンスに関する評価です。若きビッグマンのドノバン・クリンガンはリムプロテクターとして4ブロックを記録し、ペイント内での失点を強力に防いでいました。敗因はインサイドの脆弱さではなく、ウォリアーズのコーナーへのキックアウトパスに対するローテーションの遅れにありました。外郭シュートを警戒させつつインサイドを攻めるウォリアーズの「スペーシングの妙」が、終盤の攻防で守備網を徐々に削り取っていたのです。