時代が昭和から平成、令和へと移り変わるなかで、全国各地に伝説的な名物弁当が誕生した。代表格といえば、横浜の崎陽軒が手がける「シウマイ弁当」だろう。冷めても美味しい豚肉とホタテ貝柱の絶妙なブレンドは、試行錯誤の末に生み出された職人技の結晶だ。実は折箱に使用されている経木(きょうぎ)が適度な水分を吸収・保持するため、冷めたご飯でもモチモチとした食感が保たれるという裏技術が隠されている。
もう一つの巨頭が、信越本線横川駅の「峠の釜めし」だ。益子焼の土鍋に温かいごはん、益子焼ならではの保温力と見た目のインパクトで爆発的ヒットを記録した。急勾配の碓氷峠を越えるための機関車連結作業で生じる「停車時間」を巧みに利用して立ち売りされたこの弁当は、まさに鉄道の技術的制限が生んだ奇跡の名作と言える。