言葉の発音やアクセントに関して最も厳しい基準を持つのがニュースメディアだ。NHKニュースをはじめとする報道番組では、長年にわたり正確な標準音の維持と、視覚情報のないラジオ等での伝わりやすさとの間で模索が続けられてきた。
NHK放送文化研究所が主導した「NHK日本語発音アクセント新辞典プロジェクト」の知見によれば、アナウンサーが原稿を読む際の原則は「しりつ」である。しかし、私立との区別が不可欠な文脈や、混同が予想される報道現場においては、「いちりつ」と読むこと、あるいは「市営」「市立て(いちだて)」などの補足的表現を取り入れることが認められている。現場の臨機応変な対応こそが、正確な情報伝達を支えているのだ。