親の威光に頼ることなく、自らの力で舞台の道を切り開くこと。それこそが神田沙也加にとっての最大のテーマだった。オーディションには本名を隠して臨み、現場の厳しい指導や批評を真っ向から受け止めたという。
演劇界の巨頭である東宝が手掛ける大作ミュージカル『レ・ミゼラブル』や『ピーターパン』などで経験を積み、歌唱力だけでなく言葉の発声、舞台上の身こなしを徹底的に磨き上げた。ただ「親が有名だから」という周囲の先入観を、圧倒的な演技力と透き通るような歌声で塗り替えていったプロセスは、劇的な成長劇として今なお語り草となっている。