震災の傷跡が生々しく残る2011年7月、ドイツで開催されたFIFA女子ワールドカップにおいて、佐々木則夫監督率いるサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が歴史的初優勝を果たしました。
決勝の相手は、過去25年間一度も勝てていなかった世界最強の王者アメリカ。延長戦に及ぶ死闘の末、1点ビハインドで迎えた延長後半12分、コーナーキックに合わせたキャプテン澤穂希選手の劇的な同点ボレーシュートは、日本サッカー史屈指の名場面として語り継がれています。
PK戦を3-1で制し、アジア勢として男女通じて初のW杯制覇を成し遂げた瞬間、深夜の日本列島は歓喜と涙に包まれました。佐々木監督は大会中、ミーティングで被災地の惨状や復興へ向けて立ち上がる人々の映像を選手たちに見せ、「日本のために戦おう」と結束を促していました。最後まで決して諦めず、泥臭くピッチを走り抜いた彼女たちの姿は、打ちひしがれていた日本国民に計り知れない希望と復興への勇気を与え、同年8月には団体として史上初となる国民栄誉賞が授与されました。