ドラム式洗濯機の乾燥機能が急に低下したとき、機械内部で何が起きているのか。その真相を一言で表せば「密閉された風路の窒息」です。ドラム式洗濯乾燥機は、ドラム内に温風を送り込み、衣類の水分を蒸発させ、その湿気を含んだ空気を冷却・除湿して再び温風として戻す「循環システム」を採用しています。この空気の通り道である風路のどこか1箇所でも断面積が狭まると、風速が落ちて衣類に熱風が届かず、水分を回収できなくなります。
多くのユーザーが陥る最大の盲点が「乾燥フィルターの表面は毎回指でゴミを取っているから大丈夫」という思い込みです。実際には、フィルターの極細メッシュには目に見えない柔軟剤の油分や皮脂汚れが薄い膜を作って目詰まりしており、空気を通す抵抗が数倍に跳ね上がっています。指でホコリを剥ぎ取っただけでは通気性は回復しません。フィルターに水を垂らしてみて、水滴が弾かれてすっと下に抜けない状態であれば、温風はすでに窒息しています。
もうひとつの決定的な要因が、衣類の「過積載」とドラム内壁への張り付きです。洗濯容量が12kgのモデルであっても、乾燥容量は一般に半分程度の6kg前後に制限されています。ドラム式は衣類を上から下へ落下させる「たたき効果」によって繊維の間に温風を行き渡らせる構造です。容量オーバーの衣類を詰め込むと、遠心力で濡れた衣類がドラムの内壁にペッタリと貼り付いたまま回転し、中心部にしか風が通らず、外側も内側もムラだらけの生乾き状態を生み出します。