畳に足が擦れる鋭い音が道場に響き渡る。柔道界の歴史にその名を刻む阿部一二三と阿部詩。両選手が世界最高峰の舞台で圧倒的な強さを見せつけた根底には、日本体育大学で培われた緻密な体幹強化と技の探求があった。
同キャンパスの柔道場では、個々の筋力特性に応じた個別プログラムが組まれている。伝統的な打ち込みの反復に加え、筋肉の出力タイミングや関節の角度変化を微小単位で解析。指導陣と選手がモニターを覗き込みながら議論を重ねる姿は、伝統的な武道と現代のスポーツ科学が見事に融合した瞬間と言える。泥臭い努力を科学の光で照らし出す作業が、金メダルの輝きを生み出している。