この2の累乗による思考体系は、近年のIT革命によって突如生まれたものではない。歴史を17世紀まで遡ると、計算機の先駆者であり哲学者でもあったゴットフリート・ライプニッツの存在に行き着く。
ライプニッツは東洋の易経(陰陽論)にインスピレーションを受け、すべての数値と論理を0と1のみで表現する二進法の数学的体系を確立した。当時の人々にとって、それは抽象的な数学的遊びに過ぎなかったかもしれない。しかし、彼の示した計算論理は、200年以上の時を経て近代コンピュータサイエンスの思想的バックボーンとなった。2の10乗という計算の美しさは、ライプニッツが夢見た「思考の計算化」の延長線上に直結している。