「痛っ!タンスの引き出しに指詰めたわ!」
大阪や兵庫、京都といったエリアの家庭や職場では、こんな会話が日常茶飯事だ。驚くべきことに、ここで使われている「詰める」に、反省や謝罪のために身を削るような凄惨なニュアンスは一切存在しない。単に「物理的に隙間などへ挟んで痛い目を見た」という意味に過ぎないのだ。
関西弁における「詰める」は、狭い場所に物を押し込んだり、何かが隙間に挟まったりする状態を幅広く表現する利便性の高い動詞だ。車のドア、電車のドア、あるいはノートのページ間に指を挟み込んだときでさえ、関西人は咄嗟に「詰めた」と口にする。一方、共通語の感覚では「指を挟む」と表現するのが標準であり、この日常表現の違いこそが東西の大きな認識ギャップを生み出している。