騒動の発端は2012年夏。都内の飲食店で二人きりで食事を楽しんでいた様子を週刊誌が報じたことだった。当時、綾部祐二は34歳、藤田紀子は64歳。世間はこの過激な組み合わせに息を呑んだ。パパラッチのカメラが捉えた一瞬の表情や、二人が交わしたとされる会話の断片は、瞬く間に尾尾ひれがついて全国へと拡散していった。
だが、真相は拍子抜けするほどシンプルだった。二人を取り巻く共通の知人を交えた会食の場であり、恋愛感情に基づく密会ではなかったのだ。にもかかわらず、メディアの攻勢は止まらなかった。連日のように自宅前に記者陣が押し寄せ、フラッシュが焚かれる異常事態。ゴシップを消費する世間の好奇心は、過剰なストーリーを作り上げていった。