西山事件とは?沖縄返還の密約スクープから記者逮捕劇の真相を追う

西山事件とは?沖縄返還の密約スクープから記者逮捕劇の真相を追う

西山事件とは?沖縄返還の密約スクープから記者逮捕劇の真相を追うとはどのようなものなのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

西山事件とは、1972年4月に毎日新聞政治部記者の西山太吉と、外務省審議官室の女性事務官であった蓮見喜久子が国家公務員法違反の容疑で逮捕された事件です。法的には「外務省機密漏洩事件」、政治・歴史的には「沖縄返還密約事件」とも呼ばれます。

発端は1971年、日米間で調印された沖縄返還協定交渉の過程で、日本政府が米軍用地の原状回復補償費400万ドル(当時のレートで約12億円)を肩代わりして秘密裏に支払うという合意(密約)を交わしていたことでした。西山記者は外務省ルートからこの事実を示す3通の極秘電信文(機密文書)の写しを入手し、取材活動を展開します。

西山記者は当初、毎日新聞紙上でのスクープを狙いましたが、社の上層部の判断により掲載が見送られます。業を煮やした西山記者は、この機密文書の写しを社会党(現・社民党)の横路孝弘衆議院議員および楢崎弥之助衆議院議員へ提供。1972年3月27日の衆議院予算委員会で密約の存在が暴露され、国会は大混乱に陥りました。

しかし、時の佐藤栄作政権は密約の事実を全面否定。それどころか、東京地検特捜部と警視庁は「国家機密の漏洩」を理由に捜査を開始し、情報源の蓮見事務官と西山記者を電撃逮捕しました。国家の嘘を暴いたはずの記者が一転して容疑者となるという、日本の憲政史上極めて異例の逮捕劇となったのです。

清水 千尋
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清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。