彼女のキャリアを語る上で、2010年代前半のヒット作群は外せない。特に『名前をなくした女神』や『ファーストクラス』で見せた、女性同士の容赦ない心理戦は社会現象となった。格付けし合う女たち。あのヒリヒリするような空気感は、単なるエンターテインメントの枠を超えていた。視聴者は画面の中に、自分自身の日常や職場の縮図を見ていたのだ。
しかし、彼女の真骨頂は単なる「キャットファイト」の描写にはない。悪意の裏にある焦燥感や、誰かに認められたいという切実な承認欲求を、冷徹かつ温かい眼差しで見つめている点にある。単なる悪人として片付けられない立体的なキャラクター造形こそが、彼女の脚本が長く愛される理由だろう。