インターネット上の巡礼ブログやSNSまとめでは、長い歳月の間に誤った情報が定説のように語り継がれているケースが散見されます。調査報道の視点から、読者が現地で迷わないための事実関係を検証します。
誤解1:「かをりの踏切」は大泉学園駅の目の前にある?
ネット検索で「君嘘 踏切」と引くと、大泉学園駅直近の踏切を指しているかのような記述が見られますが、これは完全な誤認です。第1話冒頭や最終話で公生とかをりが対峙する遮断機のロケーションは、大泉学園駅から一駅離れた前原踏切(西武池袋線・保谷〜大泉学園間)や、西武新宿線の井荻〜上井草周辺の複数の踏切のパーツを合成して再構成されたものです。特定の1か所だけを訪れて「アニメと背景が違う」と落胆する巡礼者が後を絶ちませんが、背景美術チームが複数の踏切の構造美をサンプリングして生み出した複合モデルであることを知っておく必要があります。
誤解2:かをりが入院していた大病院は練馬区内に実在する?
物語後半、かをりが長期入院を余儀なくされ、公生と屋上で粉雪を見上げる名シーンが生まれた病院。練馬区内の総合病院を探そうとするファンが多く見られますが、病棟の外観や中庭のモデルとなったのは練馬区ではなく、大学病院系の歴史的病棟建築(信州大学医学部附属病院旧病棟や都立広尾病院などの意匠参考説)です。住宅街のロケ地とは異なり、医療機関はプライバシーや静穏環境が最優先される場所であるため、安易な探索や無断立ち入りは厳に慎まなければなりません。