中国の伝統的な内陸発射場(酒泉や太原など)とは異なり、南国の海に面した文昌航天発射場は、超大型ロケットの海上輸送を可能にする地理的優位性を誇る。赤道に近い環境は地球の自転速度を最大限に活用できるため、打ち上げ時の燃料効率が極めて高い。
ここで主役を張るのが、全長約60メートルに達する細身のシルエットだ。従来メインだった毒性の強いジメチルヒドラジン系推進剤から脱却し、環境負荷の低いケロシン(精製灯油)と液体酸素の組み合わせへ全面移行した背景には、周辺環境への配慮のみならず、射場作業員の安全性確保と運用コストの大幅削減という現実的な動機が存在する。