スラッター(Slutter)という名称は、「スライダー(Slider)」と「カッター(Cutter)」を組み合わせた造語です。メジャーリーグの投球解析システム「スタットキャスト」やトラックマンの普及により、従来の変化球の枠に収まらない球種として名付けられました。
従来のオーソドックスなスライダーは、投球直後からある程度のふくらみを持ち、横方向へ大きく滑るように曲がります。打者から見れば「あ、スライダーだ」と軌道を識別しやすい弱点がありました。一方、カットボールはストレートと見分けがつかない初速を誇るものの、変化量が数センチから十数センチ程度と小さく、バットの芯を外すゴロ打ちが主目的となります。
スラッターは、この両者の「いいとこ取り」を実現した球種です。リリースからベースの直前までストレートと全く同じ「ピッチトンネル」を通過し、ホームプレートの手前で突如としてスライダー並みの曲がり幅(20〜30cm程度)で斜め横へ鋭くスライドします。打者からすれば「ストレートのタイミングで踏み込んだ瞬間、バットが空を切る」感覚に陥るため、三振を奪うウイニングショットとしても強力な威力を発揮します。