『野ブタ。』での鮮烈な演技は、その直後に待ち受ける戸田恵梨香の大躍進を確実なものとした。
翌年2006年の映画『デスノート』における弥海砂(ミサミサ)役での世界的ブレイク、そして『ライアーゲーム』の神崎直役、『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の緋山美帆子役へ。全く異なる属性のキャラクターを完璧に演じ分けるカメレオン女優としてのキャリアは、まさに『野ブタ。』で培われた繊細な心情描写の基盤の上に成り立っている。
感情を爆発させるのではなく、眼差しや声のトーンの微妙な変化で「言葉にできない哀しみ」を表現する技術。17歳にしてその域に達していた戸田の演技力は、同世代の女優の中でも突出していた。