『ひよっこ』を今改めて見返すと、そのキャスティングの先見の明に驚かされる。当時、まだ若手として出演していた俳優たちが、2026年の現在、エンターテインメント界の最前線を走っているからだ。
みね子の最初の恋相手である大学生・島谷純一郎を演じた竹内涼真。乙女寮からの絆で結ばれた夫・前田秀俊(ヒデ)を演じた磯村勇斗。そして、米屋の娘で強烈なインパクトを残した米子役の伊藤沙莉。さらには佐久間由衣、泉澤祐希、松本穂香といった面々が、画面のすみずみまで生々しい熱量を与えていた。
彼らが演じたキャラクターは、誰ひとりとして使い捨てにならなかった。工場が倒産する場面での乙女たちの涙、すずふり亭の厨房で交わされる職人たちの静かな熱意。脇を固めるキャスト一人ひとりに人生があり、生きて生活しているという手応えがあったからこそ、この物語は9年の時を超えて語り継がれている。