「100均のジェルだから原料が粗悪ですぐに剥がれる」という言説は、化学的・構造的な視点から見ると正確ではありません。百均ジェルネイルが浮きやすい最大の理由は、「誰でも簡単に塗れる」という手軽さゆえに、プロ用ジェルでは必須とされる下処理の重要性が抜け落ちてしまう点にあります。
特に陥りやすい3つの盲点について解説します。
第一に、「サンディング不要=爪の清掃不要」という致命的な勘違いです。キャンドゥのベースジェルは爪表面をファイルで削るサンディング工程が不要なノンサンディング処方ですが、これは「爪表面の皮脂・ハンドクリーム・水分」を取り除かなくて良いという意味ではありません。目に見えない微細な皮脂膜が残っているだけで、ジェルは爪ではなく油膜の上に乗っている状態となり、数日で剥がれ落ちてしまいます。
第二に、LEDライトの波長と出力(W数)のミスマッチによる硬化不良です。100円ショップや通販で販売されている小型の携帯型LEDライト(6W〜9W程度)を使用している場合、光量が爪の奥まで届かず、ジェルの底面が半硬化状態(生焼け)になっているリスクがあります。表面だけが固まって中が未硬化だと、内部から水分を含んで急激に密着力が失われます。
第三に、甘皮(ルーススキン)への乗り上げです。爪の根元にある極薄の角質の上にベースジェルが付着すると、皮膚の新陳代謝や皮脂分泌によって数日以内にその部分から空気が入り込み、全体の浮きへと発展します。