喉の奥から胸元にかけて何とも言えない不快感が漂うとき、体内で一体何が起きているのか。2026年現在の最新の消化器病学の研究によれば、この不快感の主犯格として圧倒的に多いのが逆流性食道炎だ。強力な胃酸や消化酵素を含んだ胃内容物が食道へ逆流し、酸に弱い食道粘膜を直接攻撃することで強い炎症や胸やけが引き起こされる。
本来、胃と食道のつなぎ目にある下部食道括約筋が締め付けを行うことで、胃酸の逆流を防ぐ防波堤の役割を果たしている。ところが、加齢や高脂質食の過剰摂取、肥満による腹圧の上昇、さらには長時間の前かがみ姿勢によって、この筋力が低下してしまう。現場で診察にあたる消化器内科専門医は、「近年は内視鏡で明らかな炎症が見られないにもかかわらず、激しいムカムカや痛みを訴える非侵食性逆流症(NERD)の患者も急増している」と警鐘を鳴らす。
自律神経の乱れや睡眠不足が食道の知覚過敏を引き起こし、わずかな酸の接触でも強い食道のムカムカとして脳に伝達されるメカニズムも解明されつつある。単なる胃の疲労と片付けるのはあまりにも危険だ。