音楽の消費スタイルがCDからデジタル配信へと完全に移行した現在、楽曲のバズを生み出す主戦場は紛れもなくTikTokである。15秒から1分の動画背景として使用された短いフレーズが、若者の情緒を揺さぶり、フル尺のリスニングへと誘導される。このサイクルが定着したことで、従来の卒業ソングとは異なるアプローチの青春バラードが数多く誕生した。
日本レコード協会の最新データや配信プラットフォームの統計を見ても、春先に急上昇する楽曲の多くは、元々「卒業」をテーマに作られたわけではない曲が含まれている。卒業アルバムの制作動画や、放映後に教室で撮影されたVlogのBGMとして採用されることで、結果的に文脈が上書きされ、新たな定番へと昇華していく。この構造こそが、令和におけるヒットの最大の特徴と言える。