日本における「バイキング」という食形態のルーツを辿ると、1950年代に北欧の伝統料理「スモーガスボード」を着想源として誕生した歴史に行き着く。しかし、その概念を関西の地で爆発的なエンターテインメントへと昇華させた立役者こそがこの存在だ。オープン当時、高級ホテルの料理を一堂に会させ、好きなものを心ゆくまで味わえるシステムは、高度経済成長に沸く人々に強烈な衝撃を与えた。
半世紀を超える年月の中で、単に満腹感を提供するだけでなく、「ハレの日の記憶」を刻む場としてのブランディングに成功した点が実に興味深い。三世代でテーブルを囲む家族連れから、ビジネスの会食、観光客の目的地に至るまで、多様な客層を受け止める包容力こそが、激しい外食産業の生き残りレースを勝ち抜いてきた最大の原力に他ならない。