従来の図書館で最も恐れられていたのは、子どもの泣き声や話し声に対する周囲の冷ややかな目線だった。明石はこの課題に対して真っ向から向き合った。プレイルームや子育て支援センターとのシームレスな連携、エリアごとの明確なゾーニングだ。
小さな子どもが絵本に触れながら声を上げても、誰も顔をしかめない。フロアごとに音の「許容度」を変えることで、静かに集中したい受験生や読書家と、親子連れの双方がストレスなく共存できる空間を作り上げた。子育て支援施策で全国的に知られる明石市だが、その哲学は図書館の床一枚、本棚の一角にまで徹底して浸透している。