1960年代末、高校を卒業した志村は、自身が憧れてやまなかったいかりや長介の門をたたいた。ザ・ドリフターズの付き人としての第一歩である。過酷な下積み生活のなかで、彼はリーダーのいかりや長介から徹底的な舞台のいろはを叩き込まれた。
当時、すでに国民的アイドル的な人気を誇っていた加藤茶の背中を追いかけながら、志村は裏方仕事とネタ作りに奔走した。付き人時代の志村を知る関係者は口を揃えて「黙っていれば誰もが振り返るほどのハンサムだった」と証言する。目立とうとせず、控えめに舞台袖で待機するその立ち姿自体が、どこか哀愁を帯びた美しさを放っていたという。加藤茶との息の合ったコンビネーションも、この若い日の濃密な師弟・兄弟子関係の中で醸成されたものだ。