文字数のインフレーションが極限に達したのは、現在進行中の「王位継承戦編」だ。14人の王子による凄惨な王位争奪戦。そこに関わる護衛、ハンター、そしてマフィアたち。登場人物の数はゆうに100人を超え、それぞれの思惑が複雑に絡み合う。
冨樫義博が描こうとしているのは、単純な力と力のぶつかり合いではない。極限状態における「情報戦」だ。相手の能力を推測し、裏をかき、罠を仕掛ける。このプロセスを論理的に破綻なく描こうとすれば、どうしてもモノローグや状況説明のテキストが増えざるを得ない。結果として、1コマの中に数百文字が凝縮される怪奇な画面が誕生することになる。