『Beautiful World』の歌詞における最大の魅力は、歌い手の視点が単一ではない多重構造にあります。歌詞の一部はシンジ本人のモノローグのように響きますが、同時に「自分の美しさに まだ気づいていないの」というフレーズは、傷つき迷い続けるシンジを外側から優しく見守る第三者の眼差しを感じさせます。
この見守る視点は、保護者としての葛藤を抱える葛城ミサト、母性を宿した綾波レイ、あるいはシンジの全存在を肯定しようとする渚カヲルの視線とも重なり合います。曲中で繰り返される「It's only love」というフレーズは、「それはただの愛にすぎない」「どれほど不器用で破滅的であっても、これは愛なのだ」という、人間関係の不条理をすべて包み込む肯定のメッセージとして響いてきます。