九響のステージ上で華麗な演奏を披露する楽団員(メンバー)たちですが、その舞台裏にあるプロフェッショナルとしての現実について、一般にはあまり知られていません。
楽団員の採用は極めて狭き門です。各パートで欠員が出た際にのみ実施されるオーディション(奏者募集)には、全国の音楽大学首席卒業者や海外音楽院への留学経験者、他楽団の奏者など数十人から百人近くが殺到します。実技審査、複数回の面接、数ヶ月に及ぶ試用期間を経て正団員に就任できるのは、ごく一握りのトッププレイヤーのみです。
気になる給料や年収事情については、公立の公益財団法人が運営母体となっているため、一般的な地方公務員や中堅民間企業の給与体系に準じた安定設計となっています。20代〜30代の若手奏者で年収350万〜500万円前後、ベテラン首席奏者クラスで600万〜800万円前後が推計相場です。都内の民放系オケと比較すると基本給の額面は控えめに見えますが、福岡市という生活利便性と居住コストのバランスに優れた都市で腰を据えて音楽活動に専念できる環境は、演奏家にとって大きな魅力となっています。多くのメンバーがソロ活動や音楽大学での後進指導を並行して行い、地域全体の音楽文化向上を支えています。