原作者の古舘春一先生が描く成長劇は、ファンタジー的な劇的ジャンプアップではなく、極めて現実的な身体成長のグラデーションに基づいている。劇中でいきなり180cmを超えるような奇跡は起きない。172cmという、現代の男子バレーにおいては依然として小柄な部類に入るサイズ感のまま、いかにしてトッププロの中で生き残るかがリアリスティックに描かれている。
劇場版で描かれた音駒高校との熱戦でも、日向の「高さに対する工夫」と「助走距離の確保」という泥臭い努力が画面狭しと表現され、観客の胸を打った。リアリティがあるからこそ、彼の1cmの成長が読者に深い感動を与えるのだ。