本作の魅力を語る上で欠かせないのが、鎌倉の古民家で暮らす香田家3姉妹と四女の織りなす完璧なアンサンブルです。長女・幸を演じた綾瀬はるか、次女・佳乃の長澤まさみ、三女・千佳の夏帆、そして四女・すずの広瀬すず。当時すでに第一線で活躍していた3人の名女優が、新星・広瀬すずを温かく迎え入れたことで、スクリーン上に本物の家族の体温が宿りました。
撮影期間中、4人は現場となった鎌倉の家で実際に食事を共にし、縁側で梅酒を仕込み、朝の身支度を交わすなど、役柄そのままの共同生活に近い時間を過ごしました。長澤まさみが現場で広瀬すずの緊張をほぐすために積極的にスキンシップを取り、綾瀬はるかが長女としての包容力で全体を包み込み、夏帆が自然体のクッション役として機能したチームワークは語り草となっています。
公開から長い年月を経た現在でも、4人の親密な関係性は途切れていません。日本アカデミー賞の授賞式や映画祭、テレビ番組のクロストークなどで再会を果たすたび、お互いを「すず」「お姉ちゃん」と呼び合う姿が報道各社やファンの間で大きな反響を呼んでいます。4人がそれぞれの道で日本映画界のトップランナーとして活躍し続けている事実こそが、奇跡のキャスティングであったことを証明しています。