エトとカネキの関係は、敵対者でありながら、互いの孤独と欠落を誰よりも深く理解し合う奇妙な共犯関係にありました。エトはカネキを「私の可愛い欠落者(ロストワン)」と呼び、執拗にその精神を揺さぶり続けます。
月山家殲滅戦において、佐々木琲世としての仮面を捨てて覚醒したカネキと対峙した際、エトは彼の手によって上半身を切断される敗北を喫します。しかし、それこそが彼女の望んだ展開でした。エトは意図的に自らの強大な赫者部位(赫包)をカネキに喰らわせ、彼の肉体と赫子を更なる高みへと進化させたのです。
その後、収容所「コクリア」で自らが喰種であることを世間に公表する小説『王のビィログ』を上梓し、世界中に波紋を広げたエトは、カネキに対して「隻眼の王を殺せ」と言い残します。それは、有馬を討ち、自らを超えて新時代の王となれという、彼女なりの最大の祝福であり遺言でした。