社殿の東西南北を飾る極彩色の彫刻群。その一つひとつに、江戸時代から受け継がれた職人の遊び心と知恵が生きている。「つなぎの龍」や「お元気三猿」は、日光東照宮の「見ざる・言わざる・聞かざる」とは真逆のコンセプトで作られているのをご存じだろうか。「よく見て、よく聞いて、よく話す」。そんなポジティブな生き方を肯定する姿勢に、ふっと肩の荷が下りる感覚を覚える参拝客も多い。
近年ではこれらの彫刻を保護しつつ、より細部まで鑑賞できる高精細な展示解説システムが現地で導入され、旅の没入感をいっそう高めている。木漏れ日の中で龍の表情をじっくり観察するひとときは、スマホの画面に追われる日常では味わえない贅沢だ。