鬼殺隊において、身体能力を飛躍的に高める「痣」を発現させた剣士は、例外なく「25歳を迎える前に死亡する」という過酷な宿命を背負っていました。しかし、縁壱はその絶対的な制約すら超越した「寿命の例外」であり、80歳を超える高齢になるまで生き永らえました。
最期の時、老いた縁壱は鬼となった兄・黒死牟と再会します。視力を失い、衰えた肉体でありながらも、縁壱が放った最初の一撃は黒死牟の頸を半分以上切り裂く神速のものでした。黒死牟は「次の一撃で自分の頸は落ちる」と死を覚悟しましたが、縁壱は二撃目を放つことなく、寿命を迎えて立ったまま静かに息絶えていました。
縁壱の死後、刀鍛冶の里では彼の動きを模した戦闘訓練用からくり人形「縁壱零式(よりいちぜろしき)」が造られました。六本の腕を持たせなければ縁壱の太刀筋を再現できなかったという事実が、その人間離れした技量を物語っています。そして後世、炭治郎がこの人形を破壊した訓練の末に、人形の胎内から縁壱自身が使っていた「漆黒の古刀」が姿を現し、研ぎ師・鋼鐵塚蛍の手によって炭治郎の新たな日輪刀として新生することになります。