彼の真骨頂は、ジャンルや規模を問わない圧倒的なカメレオンぶりにある。米アカデミー賞を受賞し世界的な社会現象となった映画『ゴジラ-1.0』において、荒波の中で見せた人間味豊かな熱演は世界中の観客の胸を打った。巨大怪獣の脅威に立ち向かう市井の人々の過酷な運命を、リアルな生活感と必死の抗いによって力強く表現してみせた。
一方で、NHKの大河ドラマなど重厚な歴史劇における存在感も見逃せない。骨太な時代劇の枠組みの中で演じた武将の苦悩と決意は、お茶の間のテレビ画面を釘付けにした。鋭い眼光と絞り出すような声の説得力。時代やシチュエーションを軽やかに飛び越える表現力は、いまや日本映画界を支える大黒柱としての確固たる地位を証明している。