安全な滞在を確実にするため、知床財団と環境省は現地を訪れるすべての旅行者に対し、具体的な安全対策の徹底を呼びかけている。散策前のレクチャー受講はもちろんのこと、ベアスプレー(唐辛子成分を含むヒグマ用催涙スプレー)の携帯とその即時噴射トレーニングは、遭遇時の最終防衛ラインとして必須の装備と位置付けられている。
さらに、食料や残飯の管理には徹底した「ベアプルーフルール」が適用される。匂いを外部に漏らさない専用の気密容器(ベアコンテナ)の使用や、車内への食料放置の禁止など、環境省の最新指示に従うことが求められる。知床財団の専門スタッフは「一人の身勝手な行動がクマを人間の食べ物に執着させ、結果的にそのクマを駆除せざるを得ない事態を生む」と警告する。