ロック史には「音楽性の違い」や「金銭トラブル」によるバンド解散劇が数多く存在しますが、エアロスミスには前代未聞の「たい焼き争奪戦による解散危機」という逸話が残されています。
この事件が起きたのは、ある日本ツアー中のこと。ライブを控えた楽屋に、メンバーのために用意されたたい焼きが置かれていました。ステージ前のエネルギーチャージとして楽しみにしていたスティーヴン・タイラーがたい焼きを食べようと箱を開けたところ、なんと最後の1個がすでに誰かの手によって食べられてしまっていたのです。
これに激怒したスティーヴンは「俺のたい焼きを食べたのは誰だ!」と楽屋で怒声を上げ、周囲のスタッフやメンバーを巻き込む大騒動に発展。ギターのジョー・ペリーらとの間で激しい口論が交わされ、一時は現場の空気が完全に凍りつき、冗談抜きで「バンド解散か」と囁かれるほどの緊張感が漂いました。
後にメンバーや関係者へのインタビューで、ジョー・ペリー自身も「たい焼きを巡って本気で揉めた」と苦笑交じりに証言しています。ロック界屈指のダイナミックな人間関係を持つ彼らだからこそ、たったひとつのたい焼きを巡る本気の執着が、いまやファンの間で微笑ましく愛される鉄板エピソードとなっています。