気象庁が発表した最新の暖候期予報を精査すると、私たちが抱く「過ごしやすい夏」への淡い幻想は脆くも崩れ去る。全国的に平均気温が平年並みかそれ以上に推移する確率が極めて高く、統計上、かつてのような全国規模での「冷夏」を期待するのは極めて非現実的なシナリオであることが浮かび上がってきた。
日本周辺の海面水温は過去数年の高水準を維持し続けており、列島を覆う太平洋高気圧の張り出しを力強く後押ししている。一部地域で一時的な気温低下が観測されたとしても、それは季節全体の冷涼化を意味するものではない。大気全体の熱エネルギーが蓄積された状態下では、ひとたび高気圧の蓋が閉まれば、瞬く間に猛烈な熱波が列島を襲う構造が完成している。