横浜家系ラーメンの歴史を紐解く上で、吉野町「十五家」の立ち位置は極めて重要です。総本山「吉村家」から派生し、一大勢力を築いた「本牧家」、そしてそこから独立した「六角家」。吉野町「十五家」の店主は、まさにその最盛期を支えた「六角家」で過酷な修行を重ねた本格派の職人でした。
吉野町駅(横浜市営地下鉄ブルーライン)から徒歩数分、交通量の多い鎌倉街道沿いという立地で営業を開始。深夜まで煌々と赤い看板を灯し、タクシードライバーから近隣住民、遠方から訪れるマニアまで、引きも切らない客足を誇りました。
当時の家系業界において、十五家は「六角家直系のクラシックスタイルを吉野町で守り続ける砦」として認知されていました。骨太なガラ炊きから生まれる芳醇な豚骨アロマと、表面を覆う黄金色の鶏油(チーユ)。チェーン展開する現代の量産型家系とは一線を画す、現場仕込みの重厚な一杯がそこにはありました。