旅先でのイライラは、個人の性格や同行者との相性だけの問題ではありません。心理学・脳科学の観点から見ると、旅行で疲れる理由の根底には「非日常空間特有の認知負荷」が存在します。
日常生活では、通勤ルートや食事の選択などを無意識のルーティンで処理しています。一方、旅先では電車の乗り換え、飲食店の選定、スケジュールの管理など、朝起きてから寝るまで1日に数百回に及ぶ意思決定を強いられます。この「決断疲れ(ディシジョン・ファティーグ)」が脳のエネルギーを急速に奪い、普段なら気にならない些細なトラブルや同行者の言動に対して感情のコントロールが利かなくなってしまうのです。
さらに、移動による身体的負荷や睡眠環境の変化、旅費に見合う成果を求めすぎる「元を取りたいバイアス」が焦りを生み、無意識のうちにストレス値を跳ね上げています。