送還から3年が経過した2026年現在、東京地裁などで進む一連の裁判は、日本の刑事司法にとって大きな試練となっている。
争点となっているのは、遠く離れたフィリピンからの指示が、個々の現場における「強盗致死」などの共謀共同正犯としてどこまで厳格に立証できるかだ。弁護側は「具体的な殺意の共謀はなかった」と主張し、検察側は「組織的な指揮命令関係が存在した」と真っ向から対立している。
これまでに実行犯や中堅幹部らには重い実刑判決が相次いで下されているが、首謀者たちの最終的な司法判断にはまだ時間がかかる見込みだ。この裁判の行方は、今後の国際組織犯罪に対する抑止力となるか、あるいは司法の限界を示すことになるのか、法曹界のみならず社会全体が固唾をのんで見守っている。