大杉漣さんが遺した名作は『バイプレイヤーズ』にとどまりません。ドラマや映画の歴史に深く刻まれた代表作と、映画における遺作をご紹介します。
■ 映画の遺作:『教誨師(きょうかいし)』(2018年秋公開)
大杉漣さんが生前、最初で最後のエグゼクティブプロデューサー兼主演を務めた渾身の作品です。刑務所で死刑囚と対話を重ねる牧師・佐伯保役を演じ、ほぼ全編が面会室という密室劇の中で、玉置玲央さんや光石研さんら死刑囚役のキャストと濃密な演技合戦を繰り広げました。大杉さんの演技哲学と人間への眼差しが凝縮された珠玉の傑作です。
■ 心温まる名作ドラマ:『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』(2017年)
大杉漣さんの人柄と魅力が詰まった代表作として、多くのドラマファンに愛されているのが本作です。突然仕事を辞めて口数が減った頑固な父親(大杉漣)の本音を知るため、息子(千葉雄大)が素性を隠してオンラインゲームの世界で父親をサポートする実話ベースの感動作。不器用ながらもゲームを通じて息子の愛に触れ、少しずつ心を開いていくチャーミングな父親像を完璧に演じ切りました。
■ 北野武監督作品をはじめとする映画群
大杉漣さんの名を一躍全国区へと押し上げた北野武監督の映画『ソナチネ』(1993年)や『HANA-BI』(1998年)をはじめ、冷酷なヤクザから心優しき庶民、威厳ある刑事まで、あらゆる役柄に命を吹き込んできた軌跡は、日本映像史における貴重な財産です。