1960年代、勝新太郎の名を一気に全国区にしたのが映画『悪名』だった。泥臭くも人情味あふれる任侠映画の主人公・朝吉役で新境地を開くと、続いて発表された『座頭市』シリーズが社会現象とも言える大ヒットを記録する。盲目の居合斬りの達人という難役を、誰も真似できない唯一無二の殺陣とリアリティで演じきった。
勝は自身の表現を追求するため、独立して勝プロダクションを設立。従来の映画業界の常識にとらわれないスケールの大きな作品を次々と世に送り出した。テレビ時代劇の最高峰とされる作品群も、彼の溢れる情熱と妥協なき映像作りから生まれたものだ。