奇妙で、けれど抗えない衝動を秘めた変拍子。そのルーツを遡ると、クラシック音楽の常識を覆した近代の鬼才イゴール・ストラヴィンスキーに突き当たる。彼が発表した『春の祭典』の荒々しい不均等な拍動は、当時の観客に衝撃を与え、リズム概念の扉をこじ開けた。
時代が下り、1970年代のプログレッシブ・ロックがその遺伝子を継承する。複雑なアンサンブルと技巧的な変拍子がバンドのアイデンティティとなり、プログレの系譜は世界中のミュージシャンへ広まった。そこで研ぎ澄まされた八分の七拍子は、いまやジャンルを超えてポップスや劇伴の隠し味へと進化を遂げている。