直下型地震が発生した際、インターネット空間では過去の事例を歪曲した誤解や根拠のない噂が拡散しやすくなります。代表的な誤認が「一度揺れたから、これでエネルギーが放出されて安全になった」という思い込みです。
熊本の活断層群(布田川断層帯・日奈久断層帯)は、複雑に連動する地質構造を有しています。2016年の教訓が示す通り、マグニチュード6クラスの揺れが「前震」に過ぎず、その後にさらに大きな規模の地震が連動した歴史的事実を忘れてはなりません。気象庁の地震調査委員会も指摘するように、揺れが発生した直後の1週間、特に最初の2〜3日間は同規模以上の強い揺れが続発する統計的リスクが存在します。したがって、今回の揺れを単発のものと決めつける態度は極めて危険です。
さらに注意すべきは、災害時に拡散される「動物園から猛獣が逃げ出した」「外国人が犯罪行為を働いている」「〇時間後にM8の巨大地震が来る」といった悪質なチェーンメッセージやフェイク画像です。生成AI技術の普及に伴い、倒壊した建物の精巧な偽画像が瞬時に拡散されるリスクも現実化しています。情報の真偽を見極める際は、発信元のアカウント名だけでなく、熊本県防災情報ポータルや気象庁、大手報道機関の公式一次ソースであるかを必ず照合するリテラシーが求められます。