ポン・ジュノやチェン・カイコーといったアジアの名匠たちから、国内のインディーズ映画の旗手まで、彼を起用する監督たちの顔ぶれは実に多彩だ。彼らが一様に口にするのは、染谷の「余白の多さ」である。身体が大きすぎないからこそ、どんなジャンルの衣装や世界観にも完璧に溶け込むことができる。
ニュートラルな体躯でありながら、演技のスイッチが入った瞬間に爆発的な質量を感じさせる。このギャップこそが、映画監督たちにとって最大の武器となるのだ。どんな奇抜なキャラクターであっても、彼の肉体を通すことで、地に足のついた、しかしどこか現実離れした魅力的な人物へと昇華される。